レビュー:RHA MA650 Wireless
・買うまでの経緯
iPhone8を買ってからはや数ヶ月。
前に使っていたiPhone6sとの一番の違いは「イヤホンジャックが無い」こと。
付属品のLightning-3.5mmイヤホンジャックアダプタを使っても今まで通りに音楽を聴けるけど、いい加減ワイヤレスイヤホンに手を出してもいい頃合いなのかと思うようになる。
条件は「AACが使える(iPhoneはApt-XやLDACが使えないので)」「電池は最低8時間、できれば10時間以上持つ」「予算は1万台前半まで」で探してみた。
そこでいくつか候補を挙げてみたのが「Apple Beats X」「Sony hear in 2 Wireless」「RHA MA650 Wireless」といったあたり。電池の持ち的にAirPodsみたいな完全独立型は手を出すのがまだ早いと判断。
試聴した印象と値段の兼ね合いは以下のような感じ。
- Beats X
値段は¥14,500くらいでまあまあ。
デザインはいつものBeatsといった感じでマットな質感の手触りが良い。音はかまぼこ系で悪くないがやや籠った感じがした。
Appleのデバイスに特化してるからiPhoneやMacBookへの接続はスムーズにできるみたい。
バッテリーの持ちは8時間だからそこそこ。 - hear in 2 Wireless
値段は¥17,000くらいでちょっと予算からオーバー。
デザインはまあまあよさげだけど、プラパーツの継ぎ目がちょっと目立って質感は値段にしてはイマイチかも。
音は3つの候補の中で一番バランスが取れていて低音から高音まで満遍なく鳴らしてくれる感じ。高音質なLDACにも対応してるがiPhoneだと持ち腐れ。
バッテリーの持ちは8時間だからそこそこ。 - MA650 Wireless
値段は¥12,000くらいでやや安め。上位モデルのMA750だと予算オーバー。
デザインはマットな黒とメタルな銀の組み合わせで値段より高級感がある。
音はややドンシャリだけどBTのワイヤレスにしては高音が綺麗に鳴る。
バッテリーの持ちは12時間なのでかなり持つ。
結局かまぼこ系よりドンシャリの方が好みなのとバッテリーの持ちでMA650 Wirelessを選ぶことに。ちょっと安いし。
手持ちのiPhone8やMacBookもグレーなので黒と銀のカラーは結構似合う。この色合いはどんな色にも合わせやすいと思うけど。
・実際に使ってみて
何日か使ってみると試聴では気づかなかったいくつかの問題点が浮き上がってくる。
- 高音が刺さる
試聴した時は高音がクリアに聴こえて好印象だったものの、日常的に聴いてみると高音がキツい所謂「サ行が刺さる」場面に時々出くわす。例えばTrySailの「TAILWIND」なんか結構刺さってくる。 - 音量でかすぎ
iPhone8とMA650に繋いだ状態で最低音量にしてもLightningアダプター+Westone UM Pro 10の組み合わせでボリューム3〜4くらいの音量があるので、比較的耳がセンシティブな午前中とかだと結構うるさく感じる。
ついでにバッテリーレベルが20%以下に低下した時のアナウンスも結構大きいのでビビる。しかも使用状況で多少レベルが上下するからか何度もアナウンスを食らうことも。 - ホワイトノイズが大きい
自宅など静かな環境だと「サー」と鳴るホワイトノイズが結構大きく感じる。
ポップスやロックだとあまり目立たないが、クラシックでは音量が小さい箇所が多いとそこそこ目立ってくる。 - イヤーチップの感触
何日か使っていると、なんだか右耳がやや痛い気がする。昔UEのイヤーチップでも同様の事があったが、RHAのイヤーチップがやや固めだからなのか。コンプライは音が籠りやすくなるのと汚れを拭き取りにくいからできればあまり使いたくない。
まず2.以外の対策としてイヤーチップをfinalの「E type」へ換装してみた。
パッケージの謳い文句は写真にある通り「高音ピークがイヤホン本来の設計値に移動し、刺さり減」と書いており、今回の事象にうってつけである。
実際に換装して聴いてみると思ったよりも「サ行の刺さり」が低減して、ホワイトノイズもやや目立ちにくくなったように思える。Size Allで¥840なので、MA750にするには予算がちょっと…と思うような人はMA650にお好みのイヤーチップを合わせるのがコスパいいかも。
2.の問題はどうもiPhone固有の問題らしく、Googleで「iPhone Bluetooth 最低音量」などのキーワードで検索してみたところ、Androidなど他機種だともっと小さい音量で再生することもできるらしい。
根本的な対策はAppleにどうにかしてもらうしかないようだが、とりあえずの対症療法はクラシック、特にグールドとかピアノ曲が音量が小さいのでその辺で耳を慣らしてから他の曲も聴くといったところか。
とはいえ、毎日大音量で聴くと耳を悪くしそうなのでMA650 Wirelessは数日に一回くらいの頻度で使うようになり、有線も引き続き使うことになった。まだまだワイヤードの時代は続く。
問題点はいくつか挙げたものの、デザインはカッコいい、電池は持つ、音もBTワイヤレスイヤホンにしては上々でコスパの高い製品と言える。音量の問題はAppleのせいみたいだし、NFCによるペアリングもできるので恐らくAndroidのスマホを使ってる人の方がフルに活用できるのではないかと思う。