王座陥落からのダイレクトリマッチは死亡フラグなのか?
2018/4/8(現地時間だと4/7)、ライト級王者(まだギリギリ剥奪前?)のコナー・マクレガーがバスを襲撃して試合前の選手を怪我させてポリスのお世話になったり、メインイベントであるライト級新王者決定戦でハビブ・ヌルマゴメドフの対戦相手がリアルタイムでコロコロ変わるなど大波乱が起きたUFC223が行われる。
UFC223では女子ストロー級の絶対王者から陥落したヨアナ・イェンジェイチックと新王者のローズ・ナマユナスのタイトルマッチがダイレクトリマッチ(同一の対戦カードによる即再戦)で行われる。
さらに8月のUFC227でTJ・ディラショー対コーディ・ガーブラントのUFCバンタム級タイトルマッチがダイレクトリマッチで行われる事が発表されている。
UFCで王者交代からのダイレクトリマッチで印象に残るものは、最近だとアルドがホロウェイに前回と同じようなKO負けを喫したこと、結構前だとアンデウソンが脚ポッキリしたことあたりが思い浮かぶ。ここで…
「あれ?UFCでは王座陥落してからダイレクトリマッチで返り咲きをしようとするのは、もしかして死亡フラグなのか?」
と思えたので、実際のところ過去の記録はどうなってるのか調べてみた。
(1)UFC49(2004/8/21):ランディ・クートゥア(○)対ヴィトー・ベウフォート(×)
UFC46(2004/1/31)でクートゥアは1R TKO負けで王座陥落。
UFC49で再戦してクートゥアが3R TKO勝ちでリベンジ成功。王者へ返り咲く。
(2)UFC61(2006/7/8):アンドレイ・アルロフスキー(×)対ティム・シルビア(○)
UFC59(2006/4/15)でアルロフスキーはシルビアに1R TKO負けで王座陥落。
UFC61で再戦して5R判定負けで返り討ちという結果になる。
(3)UFC118(2010/8/28):BJ・ペン(×)対フランキー・エドガー(○)
UFC112(2010/4/10)でペンは5R判定負けで王座陥落。
UFC118の再戦では再び5R判定負けで返り討ちに。再戦ではジャッジ全員が50-45の判定だったので完敗といえる。
(4)UFC150(2012/8/11):フランキー・エドガー(×)対ベンソン・ヘンダーソン(○)
UFC144(2012/2/26)でエドガーは5R判定負けで王座陥落。
UFC150の再戦では再び5R判定負けで返り咲きとならず。1度目はユナニマス(3-0)判定だったが2度目はスプリット(2-1)判定だったので、リベンジまであと少しの惜しい内容であった。
(5)UFC168(2013/12/28):アンデウソン・シウバ(×)対クリス・ワイドマン(○)
UFC162(2013/7/6)でアンデウソンは2R KO負けで10度の防衛を果たしていた王座から陥落する。
UFC168の再戦では2Rでアンデウソンが左ローキックを放った時に左脚がワイドマンの膝に当たって骨折し、TKO負けで返り討ちに。左脚が脛の当たりでぐにゃりと曲がる放送事故レベルの衝撃映像をお茶の間へ届けることに。
(6)UFC218(2017/12/2):ジョゼ・アルド(×)対マックス・ホロウェイ(○)
UFC212(2017/6/3)の王座統一戦で正規王者であったアルドは暫定王者のホロウェイに3R TKOで敗れ、王座陥落となった。
再戦のUFC218では再び3RでTKO負けとなり返り討ちとなった。アルドは2戦とも3Rにダウンからのパウンドでフィニッシュされているので、負け方まで再現されているかのようであった。
・まとめ
王座陥落からダイレクトリマッチで王者へ返り咲いたのはクートゥアのみで、このシチュエーションでは6回中5回(約83%)はリベンジ失敗しているのでまあまあ死亡フラグと言っていいのではないかと思う。
ヨアナが負けたらガーブラントはダイレクトリマッチを考え直した方がいいかも。
・2018/4/8追記
UFC223が終わったのでヨアナ・イェンジェイチックの結果を追加。
(7)UFC223(2018/4/7):ヨアナ・イェンジェイチック(×)対ローズ・ナマユナス(○)
UFC217(2017/11/4)でヨアナはナマユナスに1R TKO負けで王座陥落。これがキャリアを通して初黒星。
UFC223の再戦では5Rの激戦の末、判定で敗れ返り咲きならず。
これで王座陥落からダイレクトリマッチでリベンジ失敗の確率は7回中6回(約86%)で、なおかつ前王者は6連続で敗れているので、ガーブラントも一戦挟んでからタイトルに挑んだ方がよさそう。
・2018/8/6追記
UFC227が終わったので、コーディ・ガーブラントの結果を追加。
(8)UFC227(2018/8/4):コーディ・ガーブラント(×)対TJ・ディラショー(○)
UFC217(2017/11/4)でガーブラントはディラショーに2R TKO負けで王座陥落。これがキャリアを通して初黒星。
UFC227の再戦では前回より短い1R KO負けで返り討ちに。前回と同様にディラショーにダメージを与えるも、打撃の精度とリーチの差で被弾しだすとそのまま防御も回復もできないままパウンドアウトされてしまった。
王座陥落からダイレクトリマッチでリベンジ失敗の確率は8回中7回(約88%)で前王者は7連続で敗れているから、もう王者が変わったらダイレクトリマッチはやらない方がいい。
同じUFC227で僅差の判定で王座防衛記録がストップしたデメトリアス・ジョンソンもセルジオ・ペティス対ジュシー・フォルミーガの勝者と初顔合わせするとか、ドミニク・クルーズにリベンジするとか一旦他の有力選手と戦った方がよさそう。
・ソース
List of UFC champions - Wikipedia
※Sherdogの記録まで調べるのは面倒臭かった…