レビュー:SONY PHA-01A
以前の記事でYinyoo H5を購入した後、応答周波数が20Hz-40KHzと一応ハイレゾ音源にも対応できそうなので、ハイレゾ対応のポータブルアンプの購入を検討することにした。
・予算と候補
予算は¥30,000くらいまで、iPhoneとPC(MacBook)のUSBからのデジタル入力に対応している物を候補とした。
- ONKYO DAC-HA200
値段は候補の中で一番安い¥12,000前後。
バッテリーは8時間持つので1日中使っても不自由しないと思われる。
USBとアナログと光端子と入力が多彩。 - TEAC HA-P50SE
値段は¥17,000前後でそこそこ。
DAC-HA200の姉妹機のようなビジュアルでバッテリー持続時間や取り扱う入出力も同じだが、内蔵するアンプは別物らしい。 - SONY PHA-01A
値段は¥26,000前後で候補の中では高め。
PCやiPhoneからのUSB入力のみに対応しており、アナログ入力は非対応。
バッテリーは6時間で持続時間はやや短め。重量が145gと軽量。 - DENON DA-10-SP
値段は¥33,000前後で候補の中では最も高価。
USBとアナログの両方に対応し、入力信号はDSD5.6MHzまで対応しており性能は候補の中で最強と思われる。
バッテリーはデジタル入力で7時間なのでそこそこ。
※この時点でFiio Q1 Mark IIは未発売なので候補に入らず
・店頭での試聴による比較
試聴する際の環境はおおよそ以下の通り。
プレーヤー:iPhone6SおよびiPhone8
イヤホン:Yinyoo H5
音源:クラシック(カラヤンとかデュトワあたりの交響曲。MP3 320Kbps)、ポップス(牧野由依やfhánaなどの女性ボーカルのアニソン。iTunes StoreのAACおよびMP3 320Kbps)
(1)音の好み
個人的な好みで音がいいと思った順は以下の通り。
PHA-01A>DA-10-SP>DAC-HA200>HA-P50SE
手持ちのイヤホンで聴いた感覚としては、音のクリアさや低音から高音までのバランスはPHA-01Aがいいように聴こえた。HA-P50SEはやや籠って聴こえる感じがした。
(2)ホワイトノイズの小ささ
イヤホンで使うのがメインなので結構重要視している。体感としてはこれくらいのイメージ。
DAC-HA200>HA-P50SE>>PHA-01A>>>>DA-10-SP
特にDAC-HA200はやたら感度が高いYinyoo H5でも殆どホワイトノイズが聞こえないくらい優秀。
・選定結果
タイトルの通り、最終的にはPHA-01Aを購入することに決める。DAC-HA200とかなり迷ったが、音が一番好みだった事とビックカメラで安く売っているのを見つけた事が決め手となった。
・購入してからのインプレッション
(1)ビジュアル
写真の通り突起のない角が丸い直方体のようなシンプルなデザインで、モバイルバッテリーのような見た目をしているがiPhoneへの充電はできない。4つのゴム脚があるので机上でも安定する。
145gと本格的なポタアンとしては軽量な方なので気軽に外に持ち出して漫喫で使ったりすることもできる。やろうと思えばiPhoneと束ねてカバンに突っ込み、外で使うこともできそう。
(2)音の良し悪し
購入してから長時間使用して、音に関する良かった点と気になった点をまとめてみる。
a.良かった点
音のクリアさ、低音から高音までのバランス、ボーカルの伸び、解像度の高さがiPhoneやPCの直付けよりも全体的に上のレベルで鳴らせており、AACやMP3の圧縮音源でもバックコーラスや残響がハッキリと綺麗に聴けるのが良い。
クラシックでも同時に鳴る楽器やパートの聞き分けがしやすくなり、より臨場感を増して聴くことができるようになる。
ホワイトノイズについても比較したDAC-HA200より大きいとはいえ、SONYにしてはかなり頑張ってノイズを減らしている。過去に使っていたWalkman A808やA846、店頭で試聴したZX300と比べても小さい。
b.気になった点
ボリュームを回す時に勢いが強いと「ザザザ」とノイズが入る事がある。実害はあまりないが、新品で購入した私物と店頭の試聴機では試聴機の方がノイズが大きかったので、経年劣化やボリュームの酷使によりノイズが大きくなる可能性は考慮しておいた方がよい。
(3)使い勝手
iPhoneでもMacBookでもケーブルで繋いで電源を入れれば、自動的にアンプで再生するように切り替えてくれるので簡単に使える。操作は音量とゲインの上げ下げだけなのでシンプル。アンプ側で音をいじりたい人には物足りないかも。
ビジュアルも使い方もシンプルではあるが、表示は電源のLED一つだけなので点滅して初めてバッテリー残量の低下を知ることになる。点滅してからも邦楽のアルバム1枚分くらいは聴ける。しかし、出先で使おうとした時に最後に充電したのがいつなのかを忘れると、いつまで使えるかわからず困る時がある。
入力と充電のポートが別なので充電しながら再生する事は可能だが、ケーブルは2本必要になる。
・総評
コンパクトかつシンプルな使い勝手でワンランク上の音を楽しめる、普段使いしやすいポタアンと言える。
ミドルレンジのイヤホンやヘッドホンを買い、スマホやPCの直付けで曲を聴くのがなんだか物足りないと感じた時に手を出してみるといいと思う。