iTunes「コンプリート・マイ・アルバム」に関する考察
iTunes Storeで先にシングルやEPを買った場合、後でアルバムを買うときに既に購入した曲を抜いてその分安く買える「コンプリート・マイ・アルバム」という機能がある。
これがちょっと厄介で、安く買えるのはいいが既に買った曲の分は歯抜けになったまま何もしてくれない。
ネットで調べて見つけた対策には
- iTunes Storeで歯抜けになった分を検索して単品で買う
- 既に買った曲のファイルをコピーしてタグを修正したものをiTunesに登録する
といった方法がある。前者の場合はトータルで普通にアルバムを購入するのと同じ金額を支払うことになるので、余計な手間がかかる分いくらか損している気分になる。
後者の場合、Apple Musicの為にiCloudライブラリーを使っている場合はコピーしてタグを変えたファイルがiCloudでは「重複」と判定されて、クラウドを介してiPhoneなどへ送ることができない問題がある。
近頃の楽曲はCDとiTunes Storeのダウンロード販売が先行して、一定期間(1ヶ月や3ヶ月など)が過ぎるとApple Musicのサブスクリプションでもダウンロードできるようになる場合が多々ある。
ここで、上記のような場合は先に「コンプリート・マイ・アルバム」で新曲を買って、後からApple Musicで歯抜け分を補填することができるのではないかと思いつく。それなら最初からApple Musicで解禁するまで待てばいいじゃんと言われそうだが、やはり新曲はなるべく早く聴きたいという心情もある。
今回の実験では上記の画像の通りTrySailの「TryAgain」(CDとダウンロード販売は2019/2/27発売)を先に「コンプリート・マイ・アルバム」で新曲を買い、Apple Musicでのダウンロードが解禁されたら歯抜け分が埋まるのか確かめてみたい。
この時点でシングルで買ったはずの「WANTED GIRL」と「CODING」を買い直しているので、「コンプリート・マイ・アルバム」による値引きには上限があるようだ。
iTunes Storeでの発売から3ヶ月後の2019/5/27にApple Musicでのダウンロードが解禁される。Apple MusicでTrySailのページに飛んで「TryAgain」の歯抜けになっている3曲をライブラリに追加したところ、何事もなく先に購入した分と合わせて1つのアルバムとしてまとめられている。(画像の時点でジャンルや読みがなのタグは修正済み)
曲の一覧で詳細な情報を出すと、「iCloudの状況」と「種類」でiTunes Storeで購入した曲とApple Musicで追加した曲の違いがわかる。ちなみにフォーマットはどちらもAACの256kbpsで音質は変わらない。
以上の通り、先に「コンプリート・マイ・アルバム」で新曲を買い、後からApple Musicで歯抜け分を補填しても一つのアルバムとして運用できると確かめることができた。なので、先に購入した分を削除してアルバム全部をライブラリへ入れ直すようなことはせずに済んだ。
若干気になるのはiPhoneで「TryAgain」を見ると全曲揃っているのに「コンプリートアルバムを表示」が出てくること。
その先に遷移してもダウンロード済みと判定されるので実用上の問題はない。Apple Musicからは逆にiTunesで購入した曲が歯抜けと判定されているのかもしれない。
結果を見ればできて当たり前な話ではあるが、改めて確かめてみると「コンプリート・マイ・アルバム」で既に買った分を自動的に補填してくれればこんな手間暇をかけずに済むので結局は損した気分になる。MacのiTunesが廃止になって機能が分割されるので、これを機にいい加減どうにかしてくれないだろうか。