夜の海に立ち…

思いついた事をとりあえず書いてみる。

レビュー:AVIOT TE-D01c

Appleが「耳からうどん」ことAirPodsを発売してもうすぐ2年。SONYBOSEなど様々なメーカーが左右分離型のワイヤレスイヤホンのラインナップを揃え、中華メーカーの格安モデルも揃ってきた昨今、私もそろそろ左右分離型に手を出す時期が来たかもしれないと思うようになった。

 

 

店頭で試聴していて、たまたま手に取ったAVIOT TE-D01aが1万円を切る値段の割に音が良くAACやBluetooth5.0にも対応しているので良さそうに見えた。

 

自分には謎のメーカーなのでもう少し調べようとメーカーのHPを調べたところ、AVIOTはバリュートレードという日本の商社が展開するブランドで、日本人向けのチューニングを施すなど様々なこだわりがあるらしい。

 

TE-D01aのことを調べるとTE-D01cというネット通販オンリーの姉妹モデルがあることを知る。Amazonの販売価格は¥6,980(見た当時。現在は¥5,980で販売している。)で、TE-D01aと近いスペックでこの値段はかなり魅力的。デザインと磁石で固定できる充電ケースの使い勝手はこっちの方が良さそうなのもあって、安さ重視でTE-D01cを注文することに決める。カラーは白と黒があるが、今回は白にしてみる。

 

 

そして二日後に届いた品物がこちら。

 

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手に取った印象は「軽くてプラスチッキー」。充電ケースも含めてモックアップじゃないかと思うくらいスカスカな軽さ。でもちゃんと動く。


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上記の写真の通り筐体のプラ素材はインジゲーターのランプが透けるくらい薄い。充電ケースはともかく、イヤホン本体はあえて透けさせて目立つ光り方になるように作っていると思えなくもない。

 

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この値段でこのスペックを守るために削れる部分はとことん削っているらしい。とはいえ外殻はノズルから銀のリングまで一体成型で作られているから強度は大丈夫そう。パーティングラインも結構ハッキリと見えるが、耳に装着した時に外からは見えない・見えにくい部分だから割り切って作っていると思われる。

 

 

近くでよく見るとコストカットの痕跡は見つかるが、耳に装着して遠巻きに見る分にはシンプルで上品に見えるのでデザインと表面の仕上げの勝利である。そもそも本体が小さいので髪が長い人は装着すると隠れてしまう。

 

 

次は使い勝手について。

装着感はとにかく軽くてストレスが少ない。イヤーチップだけで耳の中に固定しているが、歩いたり首を傾げる程度では全然ズレたりしない。

 

他の左右分離型のワイヤレスイヤホンと同様にケースから出したらペアリングしたスマホと接続しケースに戻したら電源オフ、充電ケースで15分の急速充電から1時間再生といった機能はちゃんとついている。

 

バッテリー残量は残量切れのアナウンスまで本体では確認できないので、スマホなど接続元でウォッチするしかない。iPhone側でバッテリーの残量を見た時の減り方は…

 

100%>>>>80%>>>>>>>60%>>>>>40%>>>>20%>接続解除

 

体感的には20%ごと時間は不均等で、80%〜60%の時間が長く20%で充電を促すアナウンスが流れたらほぼ終わりと考えてよい。おいしい所を過ぎるとガクッと落ちてくる。充電を促すアナウンスは結構くどめに連呼してくる。

 

国内メーカーでチューニングも「クラシックから最新のアニソンまで」と謳っていてマニア層を意識しているからか、電源のオンオフやペアリング等のアナウンスが可愛い系の声で発せられる。カーナビみたいに有名な声優がアナウンスするイヤホンなんていうものが作られる日がいつかやって来るかもしれない。

 

ノイズや音飛びは1日に2〜3回ほどで、そこまで気になるレベルではないがネックバンド型と比べるとさすがに安定性は落ちる。音飛びは駅や大通り沿いなどで発生しやすい。スマホをズボンのポケットに入れた場合、交差点など広い空間で真横に向くと音飛びする確率がかなり上がる。胸ポケットの場合だとだいぶ改善されるので、ジャケットやコートを着る秋から春まではいいが薄着の季節は辛いかも。

 

遅延に関してはAbemaTVやNetflixで映画やアニメを見る限りではあまり気にならないレベルだった(アプリ側で調整してあるのかも)。しかし、ゲームをプレイした時は遅延を感じたのでRPGやパズルゲームではそこまで問題ないが、音ゲーみたいにタイミングがシビアなジャンルは不向き。

 

 

次は音質について。

重低音強目のややドンシャリな音に作ってある。重低音がボーカルから上の音が埋もれてボヤけたりせずクリアさも残っているので悪い感じはしなかった。値段を考慮すると十分にいい音と言える。欲を言えば音量調節で段階ごとのギャップが大きく、4だとちょっと小さいけど5だとちょっと大きすぎる時があるのでもう少し細かく調節できたらよかった。

 

ホワイトノイズは室内だと聞こえるレベルであるが、外で使う前提で考えればそこまで気にならない。静かな環境で耳をすまして聞くと、右からは「サー」という音以外に若干「ジジジジ…」という音も聞こえる時がある。左(親機)と右(子機)で処理が異なるからノイズにも差異が現れるのだろうか…?

 

付属のイヤーチップだとボーカルが若干引っ込んで聞こえるが、¥500追加でアップデートできるSpinFitのイヤーチップだとバランスが良くなり、フィット感や遮音性も上がる。

 

 

最後にまとめ。

軽くて値段の割に音が良く電池もそこそこ持つ。左右分離型のワイヤレスイヤホンの入門機として気軽に、それこそおもちゃ感覚で買っても十分に実用に耐えられるクオリティである。通勤通学用から別のイヤホンを充電する間の繋ぎ用などいろんな需要に対応できそう。

 

強いて問題を挙げるとすれば名称がわかりにくい事かもしれない。TE-D01シリーズは末尾が"a"はベーシックモデルで"b"はハイパフォーマンスモデルで"c"はエントリーモデルで、しかも発売はbが一番遅いからどれがどの機種なのかわかりにくい。

 

IEEE802.11n,ac,axをWi-Fi4〜6にナンバリングするような、一目でわかるような名前の方が売れるんじゃないだろうか。